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1 新人スタッフが職場になじむために有効なアプローチとは?

慈悲観:相手の生活背景、ルーツを心から理解する。

新人スタッフをどうなじませるのか?という問いに対して、相手を変えようとするのではなく、

まずは、丸1日「なじめない新人」になりきり生活することをおススメしたいと思います。

これは慈悲観という仏教僧の修行にあるもので、朝起きた時点から、丸1日を相手の目で世界を見て、感じ、考えるということを徹底するものです。

簡単なようで、かなりの奥深さがあり様々な気づきを得られるすばらしい方法です。

同じ様な生活をするためには、相手の朝食がパンならばメニューも合わせます。食べるのが遅いならゆっくりと、メールしながらであればそうします。

遅刻した上に機嫌が悪そうならばそうします。とても重要なことは、なりきっている最中は絶対に相手を裁くなど、自分の考えを入れないことです。

メールを打ちながら「これだから、遅刻すんのよ」などと価値判断を入れてしまうと相手になりきれず、気づきが起こりません。

よく相手の立場に立つなどといいますが、本当にそこに立つこと(理解)ができたならその相手と葛藤することはありません。

昔、私の職場の上司に朝から大声で怒鳴りちらす癖のある方がいました。こちらの言い分は少しも聞かず、あたりかまわず怒鳴るので私もほとほと嫌気がさしていました。

かと思えば手作りのお惣菜をごちそうしてくれたり、美味しいコーヒーですねというとそのお店の近くを通ると必ず私の分も買い、そっと机に置いて下さっていたりと優しいところもある方でした。

私はこの上司を理解したいと思い1日、彼女になりきってみることにしました。

朝は4時半に起き、自分の職場での仕事の段取りや準備を1時間こなし、5時半からお弁当2つとお姑さん用のご飯とご主人、子供の分とをつくります。

お姑さんは歯が悪いので食べやすいように細かくきざむ作業もあります。洗濯を干す頃は時間がなくなり、自分は朝食を食べずに車で出勤です。

彼女になりきっている私は運転中に涙がこぼれてきました。自然に身体が「疲れたなぁ」と思った時、私は彼女が出勤するとき、すでに「疲れているのだということに気づいたからです。

疲れていると人は八つ当たりや、愚痴がでてしまうことがあります。怒鳴るなんていけないことだと正論で見ていたうちは彼女を理解することはできませんでした。

初め私は、彼女が怒鳴ることは「癖」なのだと思っていました。しかし、彼女が「疲れている」と気づいた時、人のうわべだけを見て、その人の全体像を理解しようとしていない自分に気づきました。

世の中に怒鳴る癖を持ち続けたい人などいるはずがありません。そして、なぜ私が上司になりきることができたのかにも気づき、また涙がでました。彼女は仕事の合間によく自分の生活のことを話してくださったので、私には彼女に関する情報がたくさんあり、なりきることができたのです。

家族それぞれの嗜好が違い、おかずはご主人用と子供、お姑さん用と3種類つくるので大変だとか、でも自分で選んだ人だから文句は言えない、大変だからといって仕事でも人に迷惑はかけられないわと気持ちや物事に対する彼女の見方(価値観)を伝えてくださる方でした。

逆に、彼女が私になりきることができるか、と考えてみるとできないということにも気づきました。それは私が彼女に自分のことをほとんど話さないため、私になりきるための情報が不足しているからでした。

私はすぐ怒る彼女が苦手で、話したくなかったのです。

みなさんは自分を嫌っている人に話しかけたいでしょうか。私の場合はきっと、必要最低限の話も嫌だと思います。

彼女にも私と積極的に話さないという選択肢もあったかと思います。

しかし、彼女が私に自己開示をしつづけてくださったお陰で、私は彼女を理解することができるようになりました。

今思えば、家庭のお話しや、ごちそうしてくださるのはいつも怒鳴って申し訳ないなという気持ちからだったのかもしれません。

私が彼女を理解した後も時々、怒鳴ることもありました。しかし、私の心はおだやかで、「今日の夕ご飯のメニューは何ですか?」と何事もなかったように話ができるようになりました。

1番の収穫は彼女の怒りに振り回されず、心が平静でいられるようになったことでした。「今日はお姑さんと喧嘩しちゃったのかな。」などと思っていると、「ごめんなさいね。私、不整脈みたいで、具合が悪いのよ」などと謝っていらっしゃることもありました。

つづく

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